武装錬金補足

武装錬金では、ギャグの中で突然シリアスが混じったり、逆にシリアスの中でギャグが入ったりする。顕著なのは、やはり「次郎さん」のシーン。このシーンだけ取ってみれば完全にギャグなんだけれど、
「――なぁんだ。蝶野攻爵は今夜ではなく、とっくの昔に死んでいたわけか……」
この台詞一つで、一気にシリアスに変わる。
いままで散々ふざけていたのが、逆に蝶野の哀しみを引き立てる。
前後するけど、
「次郎ね…。フン、ま、ソックリだからな」
この台詞が、さらに良い。蝶野は、この時は楽観していた。一人くらいは見分けてくれるだろうという甘い期待があった。形容しがたいけど、そんな期待が粉々に打ち砕かれる様は、なんかもう辛すぎる。
このあたり、るろ剣の宗次郎の過去や不二の悲哀なんかにも共通する所がある。
こういうのを書かせると、和月は滅茶苦茶上手いよなぁ。