2008-01-01から1年間の記事一覧

俺の妹がこんなに可愛いわけがない2:伏見つかさ

これは良い。元が一発ネタなのでシリーズ化されればつまらなくなるかもと思っていたけど、作者に地力があるのでラブコメとして普通に面白い。インタビューによると、作者がやりたかったのは前半の幼馴染ネタで、編集者が推したのは後半のコミケネタだったら…

タロットの御主人様。6:七飯宏隆

舞台が海外になってもやってることは相変わらず。4巻がけっこう大きな話だったからか、新キャラや伏線をバラ撒きつつも、わりと大人しめの展開。なので特筆するようなことはないんだけど、そうだな、アメジスティアと真冬が別の場所にいたために、個人的癒し…

C3-シーキューブ-V:水瀬葉月

おお、けっこう白めの水瀬だ。拍明兄さんがわりあいまともだったというか、ビブオーリオ家族会の皆さんみたいに「会話が成り立たないくらい狂ってる」わけじゃないのが意外だった。物分りもいいし、普通に良いお兄ちゃんじゃないか。…と思ってしまうのは、こ…

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界:西尾維新

西尾維新の楽しいミステリ講座第四弾。今回のテーマはたぶん「見立て殺人」。でも今回のトリックは見立てとはあまり関係のない叙述トリック。挿絵を利用しているところが新しいのかどうか知らないけど*1、これまではちゃんとテーマに沿ったトリックを使って…

繰り世界のエトランジェ 第四幕 青のラメント:赤月黎

鞄の中に入れていたら雨に濡れて背表紙のところがぐちゃっとしてちょっと涙目になってしまった。一緒に入れていた『円環少女』は被害を免れたので良かったけど。不幸中の幸い。 「……闇宮流 窮極葬技『壱鬼討殲』!!」とかって叫んでいる横で、普通に良い話が…

疾走する思春期のパラベラム この世の人々が許しあうまであと千億の夜:深見真

この世の人々が許しあうまであと千億の夜ですってよ、この世の人々が許しあうまであと千億の夜。かっこよすぎるぜこの世の人々が許しあうまであと千億の夜。本編でも会話中にさらりと出てきてたりしてオサレ度が限界突破しているぜこの世の人々が許しあうま…

カンピオーネ!II 魔王来臨:丈月城

クロアチアのサッカー選手に「ニコ・クラニツァール」っていう人がいるんだけど、雑誌とかでは「クラニチャル」「クラニカル」って表記をされることが多くって、常々「クラニチャル」より「クラニツァール」のほうが断然格好いいだろ…と思っていたので、今回…

激辛! 夏風高校カレー部(いもうと付):神楽坂淳

なんとなく『ベン・トー』と雰囲気が似ているが、むこうはグルメ小説で、こちらは料理小説。担当編集者いわく「カレーを食べたくなるというより作りたくなる小説」ということだが、個人的には「とてつもなく美味しいカレーを食べたくなる小説」だった。主人…

薔薇色にチェリースカ5:海原零

これにて完結。まあ打ち切り臭が漂う駆け足気味の展開だったけど、それでも全てに決着をつけてのハッピーエンド。さすがだなぁ。変態王子の強大な能力とその悲惨な最期のギャップが凄まじかった。いや自業自得というか、酷いキャラが酷い死に方をしたという…

バカとテストと召喚獣5:井上堅二

ついにお姉さま登場。ブラコンなのにデレデレではないあたりが新鮮。「アキちゃんのために自分がどうするか」ではなく「自分のためにアキちゃんをどうするか」を考えている感じ。アキちゃんが自分のことをモテないと思っているのは、彼女が洗脳してくれたお…

Gunning for Nosferatus 1 此よりは荒野:水無神知宏

吸血鬼退治の西部劇。上手くてかっちりしてて、いかにも実力派という感じ。頼りない主人公、頼れるヒロイン、トリックスター的に振舞うお姉さん、主人公を慕うロリっ娘、というカルテットで、世にも恐ろしい吸血鬼やアンデッドに立ち向かっていく。とはいえ…

幽式:一肇

作品名と作者名あわせて四文字というのはすっきりしてていいなぁ。 というわけでホラーです。ミステリ風やサスペンス風のラノベはわりと多いけどホラー物は珍しいよね*1。いや怖くなかったけどね。特に「赤い部屋」の真相が暴かれる場面なんてもう怖くなさす…

乙女革命アヤメの!:志茂文彦

マリみて的な百合百合ラブコメ、と思いきや、わりとTS物に近い。アヤメの言動が完全にTS物の主人公なんだよな。記憶喪失しているとはいえ、ガラスに映った自分の姿に見とれたりとか、女性に免疫がなかったりとか、なんというか雰囲気が非常に男っぽくて。ま…

丸鍋ねこ2 蘭ひょう捜査記録(蹴):七位連一

「丸鍋ねこ2」ってまた直球なシリーズ名だなぁ。 言葉はツンツン、行動はデレデレ、な蘭ひょうさんの話。ひょうかわいいよひょう。そして真のヒロイン影が薄すぎるよ。唯一の見所が表紙絵のグラサン姿だけなんて。まあ別にいいんだけど。ひょうとちいたんさ…

ギャルゴ!!!!!4 地獄天国直通大全:比嘉智康

クライマックス直前、エロ増量ヤンデレ大増量でお送りしております、という感じ。 ひたすらハナさんが可哀想な話。ドン引きレベルの過去が明かされ、好きな相手からは敵意を向けられ、そして拉致監禁されて…。特にギャルゴたちが深夜、ハナさん宅に侵入する…

フレンズ×ナイフ2 死神を包む風:星家なこ

邪気眼美少女と天然ボケ美少女の百合百合異能バトル第二弾。 友人としての優しさ、恋敵としての妬み、仲間としての厳しさ、あかりのそういう複雑な心情が良い。心配してるのにキツい言い方しかできなかったりとか、嫉妬のあまり亜子を叩いちゃうとか、クール…

ねくろま6。:平坂読

この扉絵の気恥ずかしさは異常。次世代の帯パン(表紙イラストのパンチラを帯で隠す手法の略)だな。 異世界に閉じ込められたソリスたち。魔王さまが語る古の真実。クオンの圧倒的なパワー。力の限りを尽くした魔法バトル。面白い。夢中になって読みすすめた…

いつか天魔の黒ウサギ1 900秒の放課後:鏡貴也

学園異能っぽい。電撃から出てもおかしくないのでは。濃厚な中二病スメルが俺を興奮させる。予想するなかで最も厨くさい展開が選択されていく、あるいはその予想さえ凌駕していく感じ。いや、主人公はわりと必死にやってるし、むしろこの手の作品の主人公と…

火の国、風の国物語5 王女勇躍:師走トオル

アレスはあまりにも強い、だがアレスがここまで強いのは、ジェレイドがいみじくも看破したように悪魔が憑いているからであり、つまりアレスは決して高潔な英雄なんかではない、しかしアレスというキャラクターの魅力はそこにある、ズルをしているからこそ、…

とある魔術の禁書目録SS2:鎌池和馬

これまた、感想を書きにくいというか、なんだか思わせぶりな情報の断片を振りまいただけのような感じ。ひとつひとつの話は、短くてテンポのよい掛け合いが中心で、最近流行りの四コマ風? 全体を通して見ると、「原石」と呼ばれる自然発生的超能力者の争奪戦…

ゆらゆらと揺れる海の彼方10:近藤信義

電撃冬の戦記ファンタジー祭り第三弾。いや相変わらず面白かった。不満がないわけでもないというか、粗を探せばきりがないくらいなんだけど、それでも「面白かった」と思える作品。しかし、読んでいるあいだはそうでもなかったけど、読み終わったあとじわじ…

機械じかけの竜と偽りの王子:安彦薫

電撃冬の戦記ファンタジー祭り第二弾。合言葉は「人類皆ロリコン」。絶世の美少女に「兄様」とか呼ばれて主人公が参ってしまうのは仕方ないにしても、いい歳した大貴族たちが揃って「姫様」「姫様」って、どんだけロリコンなんだよこいつら。リュクサリアっ…

烙印の紋章II 陰謀の都を竜は駆ける:杉原智則

電撃冬の戦記ファンタジー祭り第一弾。まっとうに面白い。2chの作者スレで「杉原なのに鬼畜じゃない」って騒がれていて笑った。まあ確かにちょっと毒が欲しいかも。リネア様の所業に慣れてしまったせいか、このくらいだと大人しすぎるように感じる。イネーリ…

死なない男に恋した少女 2.日常のカケラ:空埜一樹

サシデレ2。なにが素晴らしいって、半分以上が主人公とヒロインのらぶらぶした日常に費やされていることだよ。特に狗斗が残酷なまでの鈍感さを発揮して、恭子さんにとことん冷たい仕打ちを行うあたり。こういうお馬鹿な主人公は大好物です。もっと激しく切な…

学校の階段9:櫂末高彰

次期部長選考レースとヒロインたちの戦いinバレンタインが同時並行で襲い掛かかってくる展開。大盛りだなぁ。 あやめ様が素敵すぎる。厳しいところは相変わらずだけど、ちょっとデレ入って優しくなってて、早くも缶バッチの良きパートナーになりつつある。恋…

薔薇色にチェリースカ4:海原零

旧ヒロインのチェリースカや真希、前回登場のアンやミカルも押し退けて、ついにアイスヒルのターン! 女たらしな理事長の犬と、プライドの高いハイネルオー部が、獣が徘徊する地下世界で二人きり。これのポイントは呉越同舟じゃないところだよな。ヒロは別に…

影執事マルクの手違い:手島史詞

暗殺者が暗殺対象に返り討ちされて執事に転身する話。あるいはお嬢様と執事の初々しい交際を見守る話。こういう設定を聞くと、「暗殺者が執事に」というギャップの面白さを押し出していくものかと思うけど、でもマルクくんは元より敬語で、性格は穏やか、家…

ミサキの一発逆転!:石川ユウヤ

面白かった。なんかタイトルやあらすじからして売れなさそうなのが惜しい。どことなくスニーカー臭が漂ってる(スニーカー文庫の作品っぽいと言いたいのであって運動靴みたいな臭いがするというわけではない)。 『この広い世界でふたりぼっち』『ベネズエラ…

オウガにズームUP!:穂史賀雅也

『暗闇にヤギを探して』の作者ということで期待して購入。ごく普通の男子高校生がロリ少女と結婚する話。やや萌え寄りになったけれども、独特のセンスは健在で、会話を読んでいるだけでクスリとくる。ユージがやたらクルルにそっけないあたりが面白い。そっ…

やってきたよ、ドルイドさん!:志端祐

非常にテンポが良い。次から次へとネタが飛び出してくる感じ。とても楽しい。チキン四天王の話なんかひどすぎて腹筋崩壊するほど笑った。ヒロインがドルイドということで、「自然は美しいー」「人間は醜いー」みたいな説教臭い話になるのかと思ったけど、ぜ…