2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れ物注意!!:冲方丁

スプライトを読めば事件の概要がわかるけど、オイレンを読んでもわからん気がする。「スプライトでざっと把握してオイレンで再確認」はできないわけですな。線ではなく点で事件に関わってる感が強い。MPBとしての組織としての動きはほとんどない。三人で一頭…

スプライトシュピーゲルII Seven Angels Coming:冲方丁

今回はスプライトのが面白かったなー。いや、単純に厚さの問題だと思うんだけどさ。スプライトIIが主力で、オイレン弐が別働、みたいな。そんな感じ。 乙と雛が可愛い。オイレンの三人に嫉妬して、お洋服を欲しがったりして。それを鳳が宥めて。家族っぽい。…

アキカン! 6缶目っ:藍上陸

キャラクター別の短編集。…はいいんだけど、本当にアニメ化するのかな。不安で仕方がない。いや俺なんかが心配しても本当に仕方ないんだが。 一口目「エールとカメと商店街。」エールが商店街を歩く話。エールの健気さと妖怪へけへけのウザさのハーモニーが…

この広い世界にふたりぼっち:葉鳥哲

MFJの新人さん。これはすごく良かった。たぶんお気に入りの一冊になるだろう。 冒頭、少女と狼が「結婚」する。人物だけ見れば『狼と香辛料』のさかさまだし、設定は『MAMA』を夫婦にしたような感じだけど、でもこの作品はそのどちらでもない。超然としたヒ…

緋弾のアリア:赤松中学

『アストロノト!』がSFだったので次はミステリ、なのだろうか。ミステリというか探偵小説風バトル系ラブコメだけど。主人公が遠山の金さんの子孫、ヒロインがホームズの子孫、敵がルパンの子孫という、なんともハッタリの効いた設定。主人公は俺TUEEEタイプ…

丸鍋ねこ改造計画(仮):七位連一

これまた『地を駆ける虹』から大きく路線転換して、MFJお得意の作家魔改造ですね、わかります。 美少女をなんとかして笑わせようと悪戦苦闘する少年の話。主人公のギャグが切れまくっていて、だけど決めるべきところでは格好よく決めてくれる。無口無表情&…

ANGEL+DIVE 2.REUNION:十文字青

だいぶ、かなり、すごく雰囲気は違うけど、『時載りリンネ!』と似た感じの作品なんだよな。児童文学のフォーマットというか。奇妙なお屋敷、奇妙なアイテム、奇妙な人々、というのが周囲にあって、だけど子どもたちはそれを「ちょっと不思議な日常」程度に…

コピーフェイスとカウンターガール:仮名堂アレ

ガガガの新人さん。タイトルがSFっぽいんだけど、あらすじを読んでもどの程度のSFレベルか窺えなかったので、思い切って買ってみた。読んでみた。面白かった。ええと、簡単にネタバレすると、主人公の一族は全員が同じ顔で生まれてくるという呪われた一族で…

女帝・龍凰院麟音の初恋:風見周

2ちゃんねるネタたっぷりのアホエロコメ。「恋人になるために恋人ごっこをする」っていうネタはモロに『殺×愛』を踏襲してるんだよな。そういえば『殺×愛』の頃からラブコメパートはわりとベタな感じの作家だったからなぁ。あれから鬱とグロと中二病成分を抜…

SHI-NO -シノ- 空色の未来図:上月雨音

こっちでも修羅場を期待してたんだけど軽い嫉妬だけだったなぁ。今回は“僕”の元彼女が登場する(してないけど)という美味しい展開。なんとなくハルヒの『分裂』を思い出した。いやぁ上下巻構成でなくて良かったですね。これまでは先輩経由かシノシノ絡みで…

薔薇のマリア X.黒と白の果て:十文字青

カラー口絵のさ、誰かの手に頬擦りしてるマリアが可愛すぎてさ、「マリアとアジアンの仲がここまで進展するのかよやべぇマリアのこの表情はちょっと可愛すぐるマリア最高すぐる」って思ったんだけど、ピンパーネルかよ! なんだよこの下手な恋人より恋人らし…

戦闘城塞マスラヲVol.4 戦場にかかる橋:林トモアキ

なんか5冊分くらい積感想が溜まっている。いちど溜めるとなかなか消化できないんだよなぁ。というわけで手早く感想。 展開のアップダウンがすげぇ。これだけやってくれると爽快だなぁ。愛と勇気とハッタリだけで勝ち進んできたヒデオが、「実力」を得た瞬間…

とらドラ8!:竹宮ゆゆこ

久々に修羅場分をたっぷり補給させてもらった。亜美もみのりんも良すぎる。亜美ちゃん株は前巻から引き続き高騰。かわいさ、かっこよさ、修羅場発生能力、愛情度、いずれにおいても高い数値を誇る彼女は、しかしどんなに頑張ってもメインヒロインにはなれな…

スカイ・クロラ

無限ループってこわくね? 原作をわかりやすく解釈してつくられてる。というか俺は原作の内容なんてすっかり忘れてて、映画を観ながら思い出していくんだけど、設定とかキャラクターとかストーリーとかじゃなくて、ふとしたセリフとかシーンばかり思いだすん…

断章のグリムVIII なでしこ・上:甲田学人

に所属する少年とその親友、というパターンは「赤ずきん」に似てるかな。勇路くんはの協力を拒み、一真くんは助けを求めた、というあたりが違うけれど。今回は登場人物が少ないような気がする。なのに最初からアクセル全開すぎる。もしや全滅エンドなんだろ…

崖の上のポニョ

前評判から、筋書きらしい筋書きのないカオスな物語を、圧倒的な映像によって見せつけるような、そんな映画を想像してたんだけど、めちゃくちゃ素直に児童向け小説してると思った。『はれときどきぶた』みたいな、対象年齢小学校低学年くらいの。映像面でも…

アカイロ/ロマンス 少女の鞘、少女の刃:藤原祐

アカイロとロマンス。血液と純愛。これほど藤原作品にふさわしいタイトルがあろうか。ってかさー、そんなに純愛にこだわってんなら、いちど血みどろドロドロじゃない作品を書いてみればいいのにねぇ。と思うんだけど、しかし電撃の黒い太陽が白く輝くことは…

ビアンカ・オーバースタディ 第一話〜第三話:筒井康隆

この短編3つのためだけにあのサイコロのお化けみたいなファウストはさすがに買えない、と思ったので立ち読みで済ませました。ごめんなさい。本当は感想を書くつもりもなかったんだけど、ラノベサイト界隈ではあんまり話題になっていないようなので、逆に書き…

Kaguya2〜月のウサギの銀の箱舟〜:鴨志田一

学園異能風サスペンス風ライトノベルの第二巻。ところどころの描写に『神無き世界の英雄伝』とよく似た匂いが感じられて、やっぱり同じ作者だなぁと思ったり思わなかったり。 千歳さんかわいそすぎる。この仕打ちにはキレていいと思う。『ピアノソナタ』とい…

C3-シーキューブ-IV:水瀬葉月

ラブコメ面では、春亮くんがおとなしくてぼけっとしてかわいくてどんくさいような子を拾ってくる話。このシリーズでいえばマミーメーカーとサヴェレンティを足して2で割った感じですかね。…なんかその時点で酷い目に遭うことが運命付けられているような。 戦…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない:伏見つかさ

さてネタバレしまくりますが。帯のところの乃木坂さんを見れば察しうると思うけれど、要するに「俺の妹がオタクだった」という話でありんす。『乃木坂春香の秘密』ほどファンタジーではなく、『AURA』みたいにメタと極端に突っ走ってもおらず、『生徒会シリ…

さよならピアノソナタ3:杉井光

女装ショタ! 女装ショタじゃないか! 女装できるほどの美少年が登場したときにはいくつかパターンがあって、「本当に男で主人公のライバルになる(正規パターン)」「本当は女で主人公に惚れる(男装パターン)」「本当に男で主人公に惚れる(BLパターン)…

神様ゲーム7 カミハナニヲハコブベキ?:宮崎柊羽

表紙もだけど、なにより折込チラシのかのう様がやべえ。どんだけエロくなれば気が済むねん。 多加良の完璧超人っぷりを再確認する。多加良が説教しまくりなのは、説教しまくれるのは、自身が完璧超人だからだけど、彼が説教できないキャラが二人、というか二…

戦場のエミリー 鉄球姫エミリー第四幕:八薙玉造

今回のパーシーくん。 「君はね、父上のことが好きだったんだよ」 僕なんか大好きすぎて殺しちゃったよ☆と言いたいんですね、わかります。 「ノーフォーク家を継ぐのは君だ」 僕はラゲーネンの国王になるよ!という意味ですね、わかります。 中盤。グレンく…

ねくろま5。:平坂読

なんという全裸。裸。裸。裸。ゲシュタルト崩壊しそうなくらい裸。むしろ全裸がデフォですと言わんばかりのキャラクターたち。もはや色気が欠片も感じられないサービスシーン。常識を覆す挿絵の肌色率は驚きの100%*1。誰もが裸のままラブコメったりバトった…

PSYCHE プシュケ:唐辺葉介

冬目景が表紙を描いているという時点で買わざるをえない。もちろん挿絵はありません。仕様です。 音楽を聴いているみたいに読んだ。大量のイメージを流し込まれたみたいな感じ。何もかもが狂ってる話。狂いつつも、主人公は冷静に「これは現実ではない」と認…

ナルキッソス:片岡とも

原作→�X�e�[�W���Ȃ� ものすごい読みやすかった。一時間足らずで読めてしまった。文章量が少ないだけじゃないだろう。あらゆる描写が簡潔で、冷めてて、「濃い」部分が削ぎ落とされていて。なんだろね、すべての会話が2ターン以内に終わってしまう感じ。極小…

ワイルドブーケ 花の咲かないこの世界で:駒尾真子

「自由恋愛・同性愛が禁止された世界で百合」というワンアイディアから生まれたような話だけど、その設定が逆に首を絞めている気がする。物語のテーマが「同性愛禁止への反発」になり、二人の感情よりも周囲との軋轢が話の中心になり、ジョゼの感情が「恋愛…