終わりのクロニクル

一巻(上下)のみ。なんかすごい話。
一ページに詰め込まれた情報量が並じゃない。読むの疲れるくらい。一行でも飛ばしてしまうと前後のつながりが把握できなくなり、頭がこんがらがってしまう。少しでも読み逃してはいけないから集中する、だから疲れる。
疲れるといえば、空の境界もかなり苦労して読んだけど、あっちは逆に無駄が多すぎる感じ。その無駄を、逃さず読もうとして疲れる。かといって、その無駄がなけりゃ、魅力も容量も半減なんだけどね。
終わりのクロニクルはその逆で、無駄がほとんどない。全くない、と言ってもいい。短い単語が効果的に使用され、簡潔かつ詳細な文章を実現している。たとえば、聖剣グラムを運ぶ輸送機の墜落シーン、「落ちる、落ちていく、…(中略)…落ちた」みたいな描写があって、それがとても印象的。まさに「独特の文体」。独特といえば、あの名前の表記方法はわざとなんだろうか。何か深い意味があるのか?
なんて、ちょっとまじめに書いてみた。めちゃくちゃ恥ずい。
もちろんこの小説の最大の魅力は、個性的なキャラクター。すげぇ。腹に一物抱えてますって感じのやつらばっかり。で、その頂点に君臨するのが佐山か。本来なら「主役を押しのけて人気投票一位を獲得してしまう脇役」あたりに収まりそうなキャラが、まさに主役を押しのけて、主人公になっているという。俺は嫌いだけど、佐山さん。ちなみに、俺的お気にはブレンヒルト。下巻表紙にメロメロ。
で、二巻を買おうと本屋に行ってきたら、一巻と三巻はビニールで封じてあるくせに、二巻だけすっぴん。しかもページが曲がってる。けっきょく買わずじまいなんだけど、ああいうのはなんとかしてほしいっす。まあ、全部を封じられるのも困るけどさ。立ち読みできな…じゃなくって、あらすじとか確認できないです。あはは。