小説エマ 1:久美沙織

こういうストーリーらしいストーリーのない漫画は、ノベライズに向いてるなぁと思う。やはり心情描写が良い。久美も、さすがベテランだけあって、その老練な技巧でキャラの内面を見事に表現している。原作に忠実なのも評価できる。が、センスがいちいち古臭い。ヴィクトリア朝時代のイギリスで「エンコした」って、おい。ちなみに、エンジン故障の略ではないらしい。幼児語で「座り込む」という意味だそうだ。閑話休題。キャラの口調もなんか妙だし。原作もこんな感じだったかなぁ? それに(怒)には卒倒しそうになった。何か意図があってこんな表現にしたのだろうか。脚注も無闇に多い。雰囲気で言えば世界名作シリーズって感じ。児童書に近い。