狂乱家族日記 壱さつめ:日日日

なかなかのものでした。一般文芸だけでなくラノベも書けるということで、器用貧乏というかなんというか、マルチな才能っていうやつですね、そんな感じです。個人的には、ファウスト系っぽい「ちーちゃん」なんかの方が日日日の作風に合ってる気がします。
ところどころに非凡なセンスを感じるのに、もう耐え難いほどナンセンスな部分もある。こういうところが若いってことですかね。書いちゃいけないことを知らずに書いてしまう、というような傾向が見られる。自制とか常識というものを学んだほうがいいと思うんだけど、他人のことは言えないかな、俺も。
メインの語り手と思われる凰火が非常にうっとうしい性格なので、いまいち感情移入しにくい。展開もなんかぎこちなかったけれど、そのあたりは、かなり笑えたので気にしない。あと、なんといってもラブが足りない。ラブ。女っ気も足りない。愛は愛でも家族愛なんてクソ食らえ。とか言ったら、この作品を全否定することになっちゃいますよ。