結局ヒヒヒは

毒が無さすぎるんだよな。饒舌系文体の作家たちに共通する個性が、彼にはない。それでもたぶん本人はかなり強烈に「毒」を出そうとしてるんだろうけど、いかんせんまだ若いから、それ故の「痛さ」にしかならない。それも、わりとありがちな「痛さ」。だから内容に独自性を見出せない。結果、平凡な作品だとみなされる。高校生、十七歳、五重受賞、天才、とあれだけ持ち上げられてるのに、作品は毒にも薬にもならないものばかり、というギャップが評価を落とす要因なんだろうな。
というようなことをふと考えたのでメモ。彼、才能はあるんですけどね、編集がそれを生かせるかどうか。ただ、「狂乱」のあとがき、あんなものを通す時点で、ファミ通の編集部に期待は持てそうにありませんが。