蟲と眼球とテディベア:日日日

日日日の『五冊目』にして『一冊目』。五冊のうち、これが最初に書かれた作品だという意味なら、まあ納得はできる。


眼球抉子略してグリコ
眼球えぐっちゃうぞ
・真・眼球抉子
・グリコのおまけ


この眼球抉子に関する一連のハイエンドなセンスには素直に脱帽。
しかし、賢木愚龍に関する描写。


・若干十二歳で博士号
レオナルド・ダ・ヴィンチの再来
・戯れに始めた柔道でオリンピック出場
・ピアノを弾かせれば民衆はほろほろと感動
・絵筆を持たせると世界は鳴動
・日本の国家予算を上回る資本力を持つ財閥の御曹司
・――世界最強の足長おじさんだぞ!


小学生か。この貧困な発想。このあまりにあまりなナンセンスさも日日日。というか、「若干十二歳」ってなんだ。「弱冠」だろう。しかも「弱冠」は「二十歳」を指すから、意味の上でも間違ってるし。
ともあれ、終盤はかなり熱い仕上がりになっており、また全編を通して眼球抉子がいい味を出しています。設定の練りこみがまったく足りないだけで、総合的にはいつもの日日日作品と同じく「手堅い良作」といったところ。
続き物っぽくはない。