クドリャフカの順番 「十文字」事件:米澤穂信

わたし、気になりません。

鳥撃ち中。


ただいま。

笑える。


っていうか、これは素晴らしいですね。帯の文句の通り、古典部の四人+「十文字」のやさしくて痛い青春ってところですか。次々と入れ替わる一人称視点が、最大限に効果を発揮してる。四人+αの思いや悩みが密やかに解決されたり完結したり、そして微妙に絡み合って、『文化祭』という枠を作って。まとまりすぎってくらい綺麗にまとまっていて凄い。
さらに凄いのが、伏線の数々。もともと米澤作品には絶妙な伏線が多いですが、今回もはじめから全開で、大小さまざまな伏線がこれでもかと出て、しかもそのほとんどが、後になってから「ああ、あれは伏線だったか」と気づくタイプのもの。足して足して足して、引いて引いて引いて、最後には綺麗に零になって。まさしく「満足のいく結末」。そのあたりが構成の妙というやつかな。中でも気に入ったのは、摩耶花のパートですかね。『夕べには骸に』と『ボディートーク』。その優劣は、序盤で既に提示されてるんですよね。哀しい話だ。