松浦純菜の静かな世界:浦賀和宏

浦賀作品は「地球平面委員会」以来だな。あれと同じく、この作品でも非常に魅力的なヒロインが描かれている。宮里真希ほどには狂ってなくて、異常と正常の間でぐらついてる感じだけど。
社会的なアウトサイダー同士で、お互いを対等なものとして扱い、恋愛感情というよりは共感によって繋がっている、少年少女のコンビ。といえば、個人的には「GOTH」を思い出す。この作品にはそれと同じものを期待していたけれど、まさに期待通りの逸品だった。ヲタでネクラで自意識過剰で対人恐怖症で不死身の剛士と、重傷を負ったのがきっかけで孤独感に苛まれるようになった純菜。二人の方向性は違えど、どちらも人間として異端であるに違いない。
とはいえ、剛士があまりにも情けないので、これから純菜との交流を通して成長していくことを期待。今回はまだ出会っただけで、二人の物語はまだこれからだろうし。だから二巻を買ってきます。