F エフ:坂入慎一

おもしろかった。話の構造は「空の境界」にそっくりなんだけど、パクリと言うよりは、「同コンセプトで逆アプローチ」って感じ。「空の境界」は過剰なほど修飾されている*1けれど、その飾りをはぎとったシンプルですっきりとした美しさが「F」には感じられる。
全編通して「『生』と『死』」がテーマになっている。暗くて淡々とした雰囲気をひしひしと感じながら、作品世界に没入できる。こういうの大好き。別の作品の名前をまた挙げるのは自分でもどうかと思うけど、雰囲気は「GOTH」に似ている。ただ、「GOTH」は死に憧れる話で、こちらは生に希望を見出す話。「逆コンセプトで同アプローチ」か。
前にも書いたが、俺は「社会的なアウトサイダー同士で、お互いを対等なものとして扱い、恋愛感情というよりは共感によって繋がっている、少年少女のコンビ」が大好きだ。前述した「GOTH」の主人公コンビなどは、クリティカルだった。この作品のヒロインの「喜々津砂夜」とその親友の「四十物谷由流莉」*2の関係はそれに似ているけれど、しかし女同士特有のべったりとした感じがあって、どうも馴染めなかった。ぶっちゃけ、ユルリがうざい。
これ、続くんだろうか。続くんなら、続いて欲しいな。切に希望。

*1:空の境界」はそこがいいんだけどね

*2:しかし凄い名前だ