“文学少女”と飢え渇く幽霊:野村美月

こういう作品を読むと、年末にラ板大賞とかに投票するときのことを考えてしまう。この作品とあの作品とあの作品と…枠が足りない。みたいな。
一巻は客観的には良かったけど、主観的には大好きというほどではなかった。けれど、この二巻では自分の心の線を踏み越えたと思う。怨念を感じた。俺は考えをあらためるために小説を読んでるんじゃないし、人生観が変わるほどの本に出会いたいとも思わない。ざわざわと感情が揺さぶられるのがいい。その点で、この作品は始まりから終わりまで俺の心を揺さぶってくれた。心葉くんが自分の本を褒められてブチ切れるところなんか最高だったっしょ。やっぱこういうのがないとね。
あと、あれね。やっぱ琴吹さん。一巻読んだときから、この子はやってくれると思っていたよ。心葉くんとのつながりもおぼろげながら示唆されたし。本格的に主役になる時が待ち遠しい。
クライマックスの教会のシーンの直前の暗号、ページで言えば259pあたりだけど、あれを必死で解読したのに、最後に解答があってしょんぼり。いや、どうせ解読された文が出てくるんだろうなぁとは想像できたけどさ。しょんぼり。
ともあれ次巻にちょう期待。