バニラ A sweet partner:アサウラ

美少女主人公の脇をおっさんどもが固めているという構図は、前作の『黄色い花の紅』と同じ。むさくるしいことこの上ない。今回は「仲の良い女友達」みたいなレベルじゃなくガチ百合。ガチガチに百合百合。萌える。
世界設定も前作と共通してるみたい。ただしストーリー的なつながりは殆ど無い。うむ。
前半は銃器のウンチクが長くて(そして長いわりにあんまり本編に関わらない)少し退屈だったけど、校舎に立てこもってから俄然おもしろくなった。あらすじに「逃避行」って書いてあるけど逃避行じゃないです。トラウマ持ちの美少女二人が、人を殺しまくった上に学校を占拠。警察を手玉に取りつつ最後にほげほげ。こんな事件が現実にあったら確実に神格化されて二次創作のネタにされて同人誌がコミケに並ぶね。
傷つきやすい少女性、みたいなものが強調されていて、そこらへん桜庭一樹とか扇智史っぽいけれど、桜庭ほど完成されておらず、扇ほど計算が先立ってない感じ。荒削りなところが逆に魅力。倫理観がぶっとんでるのも良い。
正直、期待よりもかなり面白かった。このままの路線でさらなる暴走を期待。