ラノベ部2:平坂読

変わらず面白い。今回、というかまだ二巻目だけど、わりとドラマ性が盛り込まれたというか、ちょっとアクセル踏んでみた感がある。転校生がやってきたりラノベ部の面々の過去が明かされたり竹田くんが悲惨だったり富士河先生が降臨されたり。それらはかなり上手くいっているように見えるけど、ただこれ以上速度を上げると日常系四コマラノベ的な長所が死んでしまうだろうし、さてさて次回以降はどうなるんでしょうね。
「幼馴染同士が好きあってるとか幻想ですから」と言わんばかりに主人公以外の男に恋しちゃうヒロインが新鮮で面白かった前回に引き続き、この二巻でもその路線は継続されているものの、ただその理由が「龍ちゃんのこと大事すぎて逆に恋人とか無理」ってなあたりがちょっとヌルいんじゃないかなと思ったり思わなかったり。まあ竹田くんが可哀想なのには変わりないけど。でもすぐさま可愛い後輩をキープしちゃうあたり同情し難い。
作中で最も非現実的な(そして最も平坂キャラらしい)性格をしてる雪華ちゃんの出番が多めで、やっぱりこの子はちょっと浮いてるなぁとか思うんだけど、でも可愛いからすべてが許される。暦や竹田との対決が楽しみだ。
主要キャラが二人増えたけれども、全員が一斉に登場することはないんだよな。ひとつひとつの話に登場するのは三・四人くらいだろうか。語り手も竹田・文香・暦あたりでローテーション組まれてるし、そのあたり本当に四コマ漫画っぽいなぁと思う。この手法でいけばどんだけキャラを増やしても収拾をつけられそう。
あと、「春は出会いの季節です」が章題になってるのがちょっと嬉しかった。『アルテミス・スコードロン』はマジ名作ですよね。