トリックスターズ:久住四季

電撃が本格的にミステリーに手を出したのの第一弾のその二。
西尾維新を知っている人なら、僕の書き方が彼の影響を受けていることはすぐに分かってしまうだろう」。とか書いていてくれれば良かったんだが。いや、良くないか。饒舌的な文体を駆使して無気力主人公を登場させれば、すぐにそれは「西尾のパクリ」と言われることになるが、これは珍しく文体じゃなく内容そのものが似ていて、具体的に言えば「クビシメ」にかなり似ている。ちょっと懐かしくなってしまった。
まあ、主人公が「いーちゃん」ほどえげつなくないから安心。無気力無関心ってのは共通してるけど、普通に良い奴だし。こいつが実は女だった、とかいう展開だったら萌えるのになぁ、と読みながら思っていた。萌え萌え。
あと、氷魚ちゃん。意地っ張りでクールな娘。萌え。
と、佐杏冴奈先生。唯我独尊な性格の魔術師。萌え。
冒頭であんなことを書いといてなんだが、主要な部分(特に魔術の部分。当たり前だが。)は「クビシメ」ではないので、その部分は、なかなかおもしろく読める。ミステリとしてはどうかわからないけど、ラノベとしては及第点じゃないかなぁ。こちらも続編が確約されているような終わり方をしているので、それに期待。