飾られた記号 The Last Object:佐竹彬

電撃が本格的にミステリーに手を出したのの第一弾のその一。登場人物紹介とかあって、そこはかとなく講談社ノベルスっぽい。
というか、作者本人が

森博嗣を知っている人なら、僕の書き方が彼の影響を受けていることはすぐに分かってしまうだろう。

と暴露している通り、完全に森博嗣。しかも本文中に「空っぽの境界」とか「GOTH」とかって単語が出てくるから、タチの悪い冗談みたいだ。狙ってる?
ただ作品としては、森博嗣を上手にラノベに落とし込めていて、素直におもしろいと思う。ストーリーまでパクリってワケじゃもちろんないし。あと、SF要素の入れ方も上手くて、わりと現実に即した世界観になっているのが良い感じ。
続編が出るかどうかは売り上げ次第だと思うが、作者はそうとう自信を持っている様子。続編が出なけりゃそれこそミステリだ、とまで言っている*1。続編を出すことが確約されてるんだろうか。だとしたら、電撃はかなりこの『電撃ミステリー』に力を入れてるのかもしれないなぁ。とりあえず、その続編に期待。

*1:実際のニュアンスとは多少異なります