半分の月がのぼる空 5:橋本紡

これで完結、と言っていい第五巻。作者も、シリーズ開始当初はこの五巻で終わるように想定していたそうです。寸足らずでも冗長でもない綺麗な終わり方。しかし、裕一と里香はまだまだ一緒に生きていくわけで、今後はそのあたりをきっちりと描いていくのかな、と。あと何巻で終わるだろう。そんなに多くは出さないだろうけど。個人的には、里香が死んだときが物語の本当の最後だと思っているので、まぁそこまでは書かないだろうけど、それに近いところまでは描いて欲しいと思う次第。


夏目と裕一の、まるで親子か悪友のような会話を読んでいると、なんだかニヤけてきます。こいつら、丸くなったなあ。

裕「十億円? そんなに持ってる人、知ってるんすか?」
裕「僕だったら、豪遊しますよ」
裕「可愛いお手伝いさん雇いますね」
夏「悪くないアイディアだな」
夏「そうだな、三人くらい侍らすな、オレだったら」
裕「あ、いいっすね。ひとりは絶対眼鏡っ子で」
夏「……おまえ、そういう趣味なの?」

裕一に禿げ上がるほど同意。