ハーフダラーを探して 3:水城正太郎

これは…これでいいんだろうか。俺が何か見落としているのか。いやいや。
この物語は「コンゲーム」と銘打たない方が良かったんじゃないか。単なる「詐欺師を描いた物語」としては非常に良質なのだが。
露湖子の変貌なんか、まさしくキター!って感じなんだが、「裏に何かあるんじゃないか?」と疑って、素直に楽しめなかった。それは全編通して同じことが言える。煉四郎がだんだんと狂気に囚われていく様も、「僕の人格が必要とされないで、能力だけが必要とされているのには耐えられない」という多希、そしてクライマックスの展開も、ラストの煉四郎と魔夜美のいちゃいちゃっぷりも、どうにも裏を勘繰ってしまって、素直に楽しめない。素直に楽しめたら、すごく良い展開だったんですが。ものすごく損。
ラストにどんでん返しが待っているならそれで…いやいや。どうしたもんだろう。