ブルースカイ:桜庭一樹

さすがサンボマスター原理主義者だぜ。
話は大きく三つに分かれている。
第一部。グリム童話。女は強く美しく、男はいない世界。とても好み。
第二部。SF。女はゴツくなり、男はロリコンになった世界。この気持ち悪さは筆舌に尽くしがたい。こんな世界なら俺は死んでる。
第三部。朝の連続テレビ小説。女は浜崎あゆみを歌い、男はサンボマスターを歌う世界。終わり方が美しい。あまりに美しすぎて、そこだけ浮いてる。
各部の振れ幅が激しすぎて、異次元に放り込まれた感覚を覚える。というか、ブルースカイの気持ちそのまま。中世のドイツにいきなり放り出される感覚。かと思えば近未来のシンガポールに放り出される感覚。そして現代の種子島の上空に放り出される感覚。それでもきちんと統一感がある。おもしろい。
ともあれ、桜庭一樹の新境地ってやつを見せつけられた思い。