戦う司書と雷の愚者:山形石雄

いや、本当にいいわ。一巻があれだけの傑作でありながら、この二巻もそれに負けていない。一巻の出来栄えはビギナーズラックじゃなかったわけですよ。嬉しいなぁ。
『本』というガジェットが存分に生かされた、現在と過去が複雑に絡み合うストーリー。それは一巻と一緒。しかし、前回がコリオとシロンの二人だけの物語だとすれば、今回はエンリケと彼に関わる多くの人間の物語といったところ。ノロティちゃんも頑張ってたけど、やっぱ最後のこのハッピーエンドはみんなが頑張ったからだよな。ハミュッツも結局は憎めないキャラだし。
エピローグでコリオくんについて触れられてるのとかを読むとね、自動的に一巻のあのラストシーンが思い出されて、それがボディブローのように効いてくるんです。これからも、一巻に関する話題が振られると、あのシーンが自動再生されるんでしょうか。なにかえげつないものを感じました。あのインパクトはやっぱ忘れがたいよなー。