イリスの虹 II:七月隆文

日常と非日常の狭間でそこはかとなく揺れ動くこの何とも言えない哀愁こそが学園異能の醍醐味ですよね! あちこちから条件から外れてる気もしますが、まあ些細なことです。こういうのはむしろ条件から外れてナンボですからね。判子で押したように同じ小説なんてつまらないし。
それはさておき。今回も良い話でした。"失敗"というキーワードを軸に、巧みな構成で、伏線を生かして、切ない描写も織り交ぜて。非日常の到来を信じたくない箒がすごく可愛かったんですけど。
だけど、一巻のパワーには足りない…というか"ハーピー"というキャラクターの差だよなぁ。彼女は死なせるには惜しい逸材だった。死ななければあそこまでの逸材にはならなかっただろうけど。
この二巻も素晴らしいんだけど、一巻であれだけのものを読ませられちゃね。三巻ではハーピーを超えることが出来るのか…。