涼宮ハルヒの憂鬱 〜「サムデイ イン ザ レイン」まで

ミステリックサイン」はムシキングで笑った。
孤島症候群(後)」は逆転裁判で笑った。
あとは、とにかく「サムデイ イン ザ レイン*1」に尽きる。普通のアニメは「面白いところのダイジェスト」だが、対して「SitR」はダイジェストを作るために切り捨てた部分、いわばNG集みたいなものか。そのメタ視点がいかにも『ハルヒ』らしい。けれど、これは小説では表現できなかっただろう。アニメなら淡々とした画面で淡々とやっても大丈夫だけど、小説ではアクションシーンとか入れて起伏を作らなきゃいけないからだ*2。動きを表現できるアニメが動きを必要としない。不思議。ともあれ見事にアニメハルヒだった。
ぶっちゃけた話、原作の『ハルヒ』は大好きだけど、その物語・設定・その他に斬新なところがあるとは思えない。『ハルヒ』はどこまでも既存作品の延長線上にある作品だ*3。だから、アニメ『ハルヒ』の革新性を語るとき、ストーリーを持ち出すのはナンセンスだ。特にセカイ系と絡めて語る奴は○○で××してろ。このアニメで評価すべきは、作画が異常に丁寧とか、めちゃくちゃよく動くとか、話の順番がシャッフルされてるとか、音楽が動きとシンクロしてるとか、ネット上で話題が広まったとか、そういった点であり、俺としてもそういった点しか語る余地がない。
けれど、いまのところ「SitR」だけは例外だ。この回が素晴らしいのは、完膚なきまでに『ハルヒ』していながら、アニメでしか表現できない点にある。つまり、完璧な「原作付きアニメ」なのだ。アニメーターの方々は、他の回の殺人的作画なんて見習わなくていいから、「SitR」を見習ってほしい。原作の雰囲気を全く損なわず、アニメでしかできない話をつくる。これこそ理想ではなかろうか。
うん、熱くなってしまった。反省。明日からまた続きを観るよ。

*1:長いので以下「SitR」。

*2:ただし説明や解説は圧倒的に小説の方がやりやすい。アニメではできない。

*3:けっこう長めの延長線だが。