ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン:新井輝/築地俊彦/水城正太郎/師走トオル/田代裕彦/吉田茄矢/あざの耕平

なにこの傑作…! 初めの方の新井や築地は比較的大人しくって、しかし水城が「俺が本当のリレーノベルってやつを教えてやる」とばかりに斜め上2回捻りの方向にドライヴさせてからは、あとはもう最後まで全力疾走。メタ方向に走ってくれたおかげで、執筆途中の作家の苦悩がダイレクトに伝わってきているのが良い。楽しすぎて大笑いしてしまいそうだったよ。外で読んでたから必死で堪えたけども。
リレー小説と言えば電撃hp誌上とかでもやってたけど、やっぱここまでメチャクチャやってくれたほうがいいね。たとえばさ、俺みたいなのがネット上で、富士ミスを「LOVE」だとか「地雷」だとかって言ってネタにしてるじゃん。いや、内心では申し訳ないと思ってるんだけど(本当ですよ?)、やっぱり大袈裟に書いちゃったりするんだよね。ところが、それと同じもの…いや数倍は真に迫ったものが、プロ作家の技量によって描かれているんだから、そんなの面白くないはずがないと。ここまで書いてしまっていいのかと。…俺の負けだよ。いや負けっていうか、勝負にすらなってないよね、当り前だけどさ。さすがと言うかなんと言うか。
余談だけど、本編ではずっとお預け状態の綾さんの願いが叶っていて嬉しかった。よかったよかった。