涼宮ハルヒの分裂:谷川流

キョンの元カノが登場したりしなかったり、伏線が一気に消化されて、いよいよ第二章という感じ。アニメからの新規読者が入るのにも良いタイミング。親切設計。「恋愛感情は精神病の一種」というあたりの伏線も、ちゃんと最初の方でキョンが口にしていて、読者の記憶をフォローしているのが印象的だったり。親切設計。谷川流は親切な作家だ。
佐々木さん一派は、SOS団バージョン2というか、色が濃くなっている。青色のヒーローがパワーアップすると群青色になるようなものか。ちょっと違うか。佐々木さんは凄い良いキャラ。口調が普通じゃないけど中身は普通で、名字も普通だし(そういや下の名前が出てきてないな)、なんというか一般的なレベルの変人という感じで、とても新鮮。ハルヒのような電波系変人とは違う。いやハルヒは電波が魅力なんですけどね。
あとはまあ、すごくキョンが主人公らしかった。普段からキョンの周囲にいるのは高校からの知り合いばかりで、昔のキョンを知っているのはせいぜい謎の妹と国木田くらいのもので。そんなもんだから、これまではキョン自身に関係した事件というのはあまり起こらなかったけれど、今回はちゃんと物語の中心にいますね。キョンくんかっこいー。
で、『驚愕』は6月か。今回は大人しかった長門がいよいよ動き出すのかな。となると九曜も。待ちきれねぇ。二ヶ月連続刊行にしてくれよな。