薔薇色にチェリースカ:海原零

前作のフィギュアスケートを華麗なる決闘に、ヒロインとマスコミの対立をヒーローと生徒会の対立に、カナダ人の幽霊を蛇女に、それぞれ置き換えたような。学園異能というよりはそれ以前の学園伝奇的な匂い。わりとオーソドックスな話ながら、決してオーソドックスな作家ではない海原零が書いている、その温度差が妙に面白い。漆塗りの携帯電話とか、チタン製の爪切りとか、そんな感じ。どんな感じだ。
主人公がここまで学園中から敵視されているのも面白い。アイスヒルあたりとロミジュリしてくれると嬉しいんだけど、そんなことには間違ってもならなさそうなので、まあヒロとチェリースカと真希の三角関係、あるいはアイスヒルと真希のライバル関係に期待しよう。
あと、ギル子たんのかっこよさは異常。俗物かつ傑物というのか。アイスヒルに「俺のメイドになれ」とか素敵すぎる。彼のあたふたとする姿は見たくないし、かと言って半端に良い人になってもらいたくもないなぁ。がんばれギル子たん。