死神ナッツと絶交デイズ:早矢塚かつや

このタイトルは詩夏いじめですね、わかります。
二つの時間軸を行ったり来たり過去に戻ったり戻らなかったりするやりなおし物。主人公の幌右くんは、「未来予知ができる少女・詩夏が死んだ世界」と「『絶交だ』が口癖のツンデレ少女・夜空が死んだ世界」、ふたつの世界の分岐点に立たされ、どちらかの世界を選択しなければならなくなる。もちろんそんな選択なんてできない幌右くんは、アドバイザーとして死神ウォルナッツさんを迎え、詩夏と夜空、両方とも救うことはできないのかを模索していくことになる。
幌右くんに絶賛片思い中の詩夏が「夜空は幌右の恋人になる」という未来を予知しているところで、俄然三角関係が面白くなってくる。夜空を救えば幌右が取られてしまう、でも夜空を見殺しには出来ない、という詩夏の葛藤。実際、「詩夏が死んだ世界」での幌右と夜空は、「夜空が死んだ世界」での幌右と詩夏よりも、わずかに恋人らしいと思う。そんなところに死神ウォルナッツも絡んでくるので、ふふふふふ、とても楽しい。
まあ、そうは言っても、衣沙が最萌であることは揺るぎようのない事実。眼鏡で妹ですよ。眼鏡で妹。その性質上、眼鏡と妹はなかなか組み合わされない属性なのだけど、だがしかしその破壊力は異常ですな。流行ればいいのに。