Xトーク:来楽零

ホラーにがてです。じゃあなんで買ったんだよって感じだけどそれはほら作者買いって言うか何て言うか『ロミオの災難』面白かったし。なんかホラーって独特な感じがありますよね。「面白さ」よりも「怖さ」を重視している、というか、「怖さ」を「面白い」と思える人たちに向けて提供されている。「萌え」を「面白い」に変換する回路と、「恐怖」を「面白い」に変換する回路は違うものなんだろうなぁ、とか思ったり。まあどうでもいいんですけど。
「クックロビンの埋葬」。男と女と死体の三角関係の話。いちばん情緒があって、ホラー混じりの恋愛小説だと思えば、かなり良かった。なんか乙一っぽい。
ヘッドハンティング」。首を刈られる話。こちらは直接的に暴力的な感じ。首を刈られるかどうか、ではなく、首を刈られた後、に焦点を当てているので、ちょっと現実味が薄い。ので、あまり怖くはない。
「子供たちの町」。子どもたちに監視されている話。ロリショタの視線を独占して俺歓喜、ではなくて、ホラーとしてはいちばん怖いかも、と思った。子どもたちも大人をしっかり見てますよ、って公共広告機構のCMにありそうな感じ。でも、直接的に危害を加えられると、そこで一気に現実離れしちゃうねぇ。
「七不思議の向こうで」。七不思議を体験する話。6つ目までの不思議はすべて伏線、というわりにはオチである7つ目のインパクトが薄いような。怪奇現象に筋が通っていると怖くないのかも。っていうか、何も食べなくても生きていけるっぽいし、引きこもりにとっては快適な空間じゃね?