スプライトシュピーゲルI Butterfly&Dragonfly&Honeybee:冲方丁

ちょっと前の作品をいまさら読み返してみようぜのコーナー。『スプライト』と『オイレン』を交互に読んでいってみようの巻。
イラストのせいもあるだろうけど、かっこいいオイレンに対してかわいいスプライトという感じ。『スプライト・シュピーゲル』の三人は、もちろんそれぞれに凄惨な過去を持っているけれど、それより「いま抱えている問題」に焦点が合っているように思う。なんだろ、やるせない現状に際してそれをどう打破するか、という風になっているような。
ヘルガ長官やニナさん、神父さまのような指揮側の人間が目立っていることもあって、「組織で戦ってる」感が強い。三択クイズにしろ、巨大機械との対決にしろ、一話完結のストーリーがテンプレ化されていて、なんとなく、スーパー戦隊シリーズみたい。昆虫戦隊スプライトレンジャー。
この文体は、あれだなぁ、平坂読もこういう感じだよねぇ。というのが第一印象。スリムでスタイリッシュな雰囲気は良いと思う。というのが第二印象。ただ、実際にどのくらいの力があるのかは、まだまだ掴みきれない感じ。というのが第三印象。
どっちかというと『オイレン』のほうが好きかな、いまのところは。今後に期待。