ワイルドブーケ 花の咲かないこの世界で:駒尾真子

「自由恋愛・同性愛が禁止された世界で百合」というワンアイディアから生まれたような話だけど、その設定が逆に首を絞めている気がする。物語のテーマが「同性愛禁止への反発」になり、二人の感情よりも周囲との軋轢が話の中心になり、ジョゼの感情が「恋愛」という枠に押し込められてしまった。恋愛感情の自覚イベントとかどうでもいい。もっと二人を絡ませてほしかった。デェリアナ様がデレて以降のジョゼとのイチャつきぶりが非常に良かっただけに、そのシーンが短かったのは残念。
登場人物のほとんどが女性キャラだというのは良かった。たとえばソレイユさんが「優しいお兄ちゃん」とかだったら興ざめだもんな。わかってる感。ソレイユさんは、もう少し出番があればジョゼを巡っての三角関係も狙えただけに、もったいない印象のキャラ。シラノは…なんだろ、この人。デウスエクスマキナ的な。
というかジョゼとデェリアナ様はこれからどうするつもりなんだろ。小学生の家出並に無謀だと思うんだけど…。