崖の上のポニョ

前評判から、筋書きらしい筋書きのないカオスな物語を、圧倒的な映像によって見せつけるような、そんな映画を想像してたんだけど、めちゃくちゃ素直に児童向け小説してると思った。『はれときどきぶた』みたいな、対象年齢小学校低学年くらいの。映像面でも、『千と千尋の神隠し*1とかと比べると、ぜんぜんおとなしかった。これは手書き感を尊重したためだろうか。
幼稚園では二人の少女を侍らせ、多数の老婆を篭絡し、金魚でさえも一目で落とすという、その天然のモテっぷり。なおかつ、5歳にして自身の将来を決定させられるという幸薄さ。直前に『ハレグゥ』を読んでいたからか、宗介がハレとダブって仕方がなかった。
で、リサさんだ。作中最萌えであり最エロでもあるこの作品の真のヒロイン。息子に自分を名前で呼ばせる。夫と喧嘩して少女のように不貞腐れる。息子を乗せた自動車を暴走させる。母性がまったく欠如している。母親としてはたぶん最悪。しかし萌えキャラとしては最高に魅力的だった。してみると、ジブリ作品って世界名作劇場みたいな絵柄の中に、ほんのわずかオタク受けしそうな絵柄が混じってるんだよなぁ。このキャラと設定でモロにエロゲっぽい感じにしたやつを観たい。観たい。観たい。

*1:ハウル観てない