丸鍋ねこ改造計画(仮):七位連一

これまた『地を駆ける虹』から大きく路線転換して、MFJお得意の作家魔改造ですね、わかります。
美少女をなんとかして笑わせようと悪戦苦闘する少年の話。主人公のギャグが切れまくっていて、だけど決めるべきところでは格好よく決めてくれる。無口無表情&腹黒ロリ&過剰ツンデレという御三家みたいなヒロイン陣も揃っている。読んでいてとても楽しかった。お馬鹿な主人公+ハイテンションギャグというのは、『バカテス』あたりと同路線だなぁ。今後はこういうのが増えてくるんだろうか。
ツンデレキャラというのが、「皆といるときはツンツン二人きりのときはデレデレ」でも「最初はツンツン最後はデレデレ」でもなく、「言ってることはツンツンやってることはデレデレ」という、つまり激しく罵倒しながら甲斐甲斐しく世話をしてくれるというタイプのツンデレで、ちょっと珍しいと思った。
あと、ギャグをその場で解説しない。たとえば「案ずるべきはNRSだけだ」という台詞があって、NRSってなんだろ軍事用語?と不思議に思いつつもスルーして読み進めると15ページ後くらいにその意味が明らかにされる、みたいな。伏線というほどでもない細かい仕込みだけど、このタイミングのずらし方にはセンスを感じる。
中盤以降、いきなりファンタジー設定がねじ込まれたように思えるんだけど、これは何なんだろう。ぶっちゃけかなり不自然なんだけど。「ラブコメとは言ってもちょっとファンタジーな要素がないと売れないんだよねー」みたいなこと言われたんだろうか。いかにも第2巻では向こうの世界から魔法使いがやってきて一悶着ありそうな感じだけど、それをどう料理していくかがポイントだなぁ。続くなら、だけど。