いつか天魔の黒ウサギ1 900秒の放課後:鏡貴也

学園異能っぽい。電撃から出てもおかしくないのでは。濃厚な中二病スメルが俺を興奮させる。予想するなかで最も厨くさい展開が選択されていく、あるいはその予想さえ凌駕していく感じ。いや、主人公はわりと必死にやってるし、むしろこの手の作品の主人公としては普通すぎるくらいだと思う。問題は紅月光だ。完璧超人として描写されていても隠しきれない小物臭。自信過剰な台詞も強がりにしか聞こえない。痛い。痛すぎる。どう見ても弟へのコンプレックス丸出しのの中二病患者です。本当にありがとうございました。
『伝勇伝』は無気力+ツンデレの組み合わせだったけど、こちらは『熱血+デレデレ』の組み合わせ。まるで正反対のタイプ、でもクール系俺様キャラにこき使われるのは変わらないのね。いろんな異世界につながっている穴とそれを管理している生徒会、という設定は短編集向きだなぁ。というか、短編集をつくるために追加されたような設定だよなぁ。
弟くんは死んでしまったのだろうか。あまりにもあっさりすぎるので生きてるとしか思えないんだけど。最後に出てきたのはたぶんバールスクラさんだけど、弟くんが死んだのなら彼くらいしか明確な敵が存在しないんだよね。打ち切りさえなければ、いくらでも長くなりそうな感じ。修羅場的には期待なんだが…。とりあえず二巻は様子見かな。