火の国、風の国物語5 王女勇躍:師走トオル

アレスはあまりにも強い、だがアレスがここまで強いのは、ジェレイドがいみじくも看破したように悪魔が憑いているからであり、つまりアレスは決して高潔な英雄なんかではない、しかしアレスというキャラクターの魅力はそこにある、ズルをしているからこそ、後ろめたさを感じ、罪悪感をおぼえる、輝けば輝くほど影もまた濃くなっていくという感じか、黄昏の主やパンドラ様といった邪悪の化身のような存在がいるからこそ、人外クラスの強さを発揮するアレスは、それでも人間的な魅力を失わずにいられるのである、つまり何が言いたいかというと、ガキはどうでもいいからもっとパンドラ様を出しやがれ! 出番少ないよ、なにやってんの!
ええと、短編風味の過去話を現在の話でサンドイッチしたような構成。3巻と似たような感じで、ストーリーの進展はほとんど無し。というか状況の変化を描いただけで終了、という感じ。しかし王女様がんばりすぎ。パンドラ様の出番を奪わないでくれよ。エレナなんかもはや名前すら出てきてなくて哀れすぎるよ。潔くエディンバラに嫁ごうよ王女様。
次は侵略戦争編ということで、王国軍と反乱軍が協力して戦うような展開になるのか? 最近のアイシルみたいな展開? フィリップさんが目立ちまくってるので、きっと何かすごいことをしでかしてくれるんだろうな、アレスが裏切ったと思ってるようだし。ジェレイドさんの策略も含めるとなかなか複雑な状況。楽しみだ。