不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界:西尾維新
西尾維新の楽しいミステリ講座第四弾。今回のテーマはたぶん「見立て殺人」。でも今回のトリックは見立てとはあまり関係のない叙述トリック。挿絵を利用しているところが新しいのかどうか知らないけど*1、これまではちゃんとテーマに沿ったトリックを使ってたのに。さすがにパワーダウンは否めないよなぁ。
それよりなによりですね。ちょっと表紙を見てくださいよ。
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
- 作者: 西尾維新,TAGRO
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/12/05
- メディア: 新書
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種明かしの直後にエピローグ突入という構成も残酷さを際立たせている。読者を立ち直らせる時間をまったく許さないのだ。「これはこれで萌えるよな」と思わせる余裕すら与えてくれない。そこまでやらなくたっていいじゃん。「萌えキャラ殺しの西尾維新」。まったく今回ほどその二つ名を実感したことはなかったよ…。
次はくろね子さんの中学生のときの話らしい。様刻くんが出てこなさそうな時点でかなり悲しいんだけど、しかし最終巻。最後に凄いのをお見舞いしてくれることに期待。