蒼穹のカルマ1:橘公司

強くて美しいパーフェクトなヒロインが、彼女の溺愛する姪の授業参観に向かうんだけど、その授業参観に行くまでに様々な邪魔が入り続けるという話。最初はホームドラマなのかと思ったけど、なんというか、ちょっと異色のコメディって感じ?
要するにこの作品のミソは、「異世界に勇者として召喚される」「伝説の魔人を目覚めさせる」「神の試練を受ける」という三つの異なるレイヤーが、背景である作品世界の上に重なっているところである。いうなれば四つの作品が無理やりまとめられて一つの作品になっているようなものだ。密度が高いというか手数が多いというか。テンポが良くって面白い。
印象としては中堅作家が書いた実験作みたいな感じで、新人としてはあんまり新人っぽくないかなぁ、と思う。二巻ではどういうふうになるだろうか。各レイヤーにそれぞれ書き足していくのか、それともレイヤーが増えるのか。楽しみだ。