文芸部発マイソロジー:早矢塚かつや

「リレー小説でオリジナル神話を作ろうぜ!」って書いてみたら実際にその神話世界に行けるようになってしまった、という話。
主人公たちが作り上げた世界、“神創領域クラフティア”には、四柱の神が存在している。太陽と炎の神・ヴィガシュガダルヌ、闇と大地の神・ギア、海と水の神・水那乙姫命、空と風の神・ハルストゥ=ルル。これらの神々は、主人公たち四人の文芸部員のそれぞれと対応しており、つまりは彼らが創世神だという設定である。また、この神話の最大の特徴は、外なる神、すなわちギリシャ神話・北欧神話・日本神話・インド神話クトゥルー神話などの他の神話の神々が、自由にこちらの世界にやってこれる、という点である。そもそも創世神話からして、創世神たちが喧嘩して手が付けられないのでゼウスやオーディンたちに仲裁してもらった、というクロスオーヴァー展開だったりする。そしてもちろん、やってくるのは善良な神々だけではない。襲い来る日本最古のヤンデレイザナミや、触手を操る地獄の幼女・ヘルたんに対して、創世神たちは自らの世界を守るために立ち上がる。かくして、“神創領域クラフティア”においてスーパー神話大戦が勃発したのである!
…ここまでノリノリで書いてから気付いたが、公式の紹介記事を読めば事足りるんじゃないか。くそう。
全体的に中二病云々をアピールしすぎでアレだが、まあ素直に「神話って面白いよね」「創作神話を妄想するのって楽しいよね」という感じで読めばいいんじゃないかと思う。中二病というほど中二病じゃないし。面白かったのは、“死”について深く考えてなかったら死を司る系の神様にフルボッコされたというあたり。創作神話はよく考えて作りましょうという教訓。ペットを飼ったら責任を持って最後まで面倒を見なさい、みたいな。ちょっと違うか。まあいいや。部内恋愛模様は、いまのところライトだが、もし主人公がハーレムを構築し終われば、なかなかヘビーな感じになるのではないかと思う。続きを読みたい。
しかし、この誤字脱字のひどさは何とかならないかと思った。一迅社文庫大丈夫か。