火の国、風の国物語7 緑姫憂愁/8 孤影落日:師走トオル

7巻はアレスと巨像。8巻はアレスヘタレ化。
パンドラ様の大活躍についてはあちらでも書いたけれど。まあ、この展開は冗談抜きでキツいよね。アレスにはもはや敵がいなかったわけだから、こうするしかないってのは予想できるし、7巻とかもう見捨てられフラグ満載だったしで、心の準備はできていたつもりだったんだけど、しかし、いざその状況に立たされてみると、なにかもう圧倒的な喪失感に襲われてしまって。…いや、NTRが嫌だとかじゃなくて、なんというか、俺的にはアレスとパンドラ様のカップルがジャスティスだったわけで、他の誰が見捨てようとパンドラ様だけはアレスの傍にいるはず!みたいに、変な風に信頼していたというか、信用していたというか、二人の関係に感情移入していて、それが壊れてしまったことに対する深い失望というか。…これNTRが嫌だって話か。
いや、ストーリー的には圧倒的に正しい。超面白いと思う。ここで物語は転回点を迎え、これまで弱者を踏み躙っていたアレスが、今後は己の無力さを噛み締める立場になる。まったく、子どもの頃からずっとチートしていて、それが当たり前だった奴が、いきなり生身で戦うことになるんだから、そりゃ涙目にもなるだろう。エレナやミーアはアレスの側に付くだろうが、ジェレイドはまだ分からない。クラウディアも本当に寝取られるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。今後が予測できない最高の展開だ。
…それでも、パンドラ様があっさり戻ってきてくれることを願わずにはいられないんだよなぁ。