“文学少女”見習いの、初戀。:野村美月

本編はラスト10ページから始まります。
…というのは冗談にしても、サプライズ気味に載ってた美羽様の短編に俺歓喜
ヒロインはそのままに主人公を入れ替えて仕切りなおした新シリーズ(注:ヒロインは心葉くんです)。前作は「踏み込みたがらない語り手」と「語りたがる探偵役」のコンビで、故に遠子先輩が真相解明とお説教を両方とも担当していたわけだが、今作では「踏み込みたがる語り手」と「語りたがらない探偵役」の組み合わせで、真相解明は心葉くん、お説教は菜乃と、仕事が分担されているのが良かったと思う。遠子先輩は、個人的にはやっぱり、なんかこう、「でしゃばりすぎだろ」感が拭えなかったんだよなぁ。「心葉くんの嫁は遠子先輩しかありえない」などとは夢にも思えないおかげで、菜乃は素直に応援できるよ。がんばれ。
で、今回の題材は『曽根崎心中』。はいこの時点で明るい話を想像できないですね。明るい“文学少女”なんてこれまでにあったかという感じだけど。心中を約束した二人、けれど別の少女と心中した少年、取り残された彼女。はたして彼の真意は? 朱里さんの心情を思うと切なくなる。純愛的な意味でも年齢的な意味でも。どれだけ鯖を読んだの…? あと朱里さんから漂う非コミュの匂いが非常に好ましいです。