空色パンデミック1:本田誠

ファミ通文庫の新人さん2。空想に支配される病気をテーマにした青春学園恋愛小説。またひとり検索しづらいペンネームの絵師が。あと、ずっとタイトルを「空想パンデミック」だと思ってた。
空想病の患者は定期的に空想に支配される。たとえば「自分を伝説の勇者だと思い込む」「自分を恋愛アニメの主人公だと思い込む」などなど。空想を放置しておくと、それが周囲に感染してしまったり、最悪の場合、世界中の人間がその空想を信じ込んでしまうパンデミックを起こすことがあるため、空想病罹患者が発作を起こした場合、すみやかにそれを完結させることが求められる。より詳しくはファミ通文庫公式サイトをご覧ください。すぐ消えそうだけど。
キャラクター的には邪気眼、ストーリー的にはセカイ系のパロディなんだけど、それでも作品自体がちゃんとセカイ系になっているところがポイント高い。パロってもギャグになってない。作中作の舞台劇のあたりも作者の確かな実力をうかがわせる。あと女装少年な。なに考えてるのか分からない謎めいたところが良い。恋人がいるってのは事実なのか、空想なのか…。
タイトルに「1」と付いているからには2巻以降も出るんだろう。まあ、この設定ならいくらでも続きを書けるだろうし、アイデアの勝利という感じだなぁ。