空色パンデミック2:本田誠

この作品に対する個人的な印象は絶叫系アトラクション。たとえば、ジェットコースターとか、単に決まりきったコースを猛スピードで駆け抜けるだけじゃないですか。あれがなんで楽しいかっていうと「宙に浮いてる恐怖」があるからですよね。落っこちるかもしれない、放り出されるかもしれない、というスリル。この作品はそれと同じで、「空想病」というギミックによって読者の中で空想だか現実だか分からなくなる、「宙に浮いた」ように不安定になる、だから世界の危機やらというベタなセカイ系ストーリーに奇妙なスリルを感じることができるのではないかと。そして、最後の夢オチによって、空想の物語は作品から完全に切り離され、アトラクション化する。ええと、だからですね、オチが読めるからこその空パンであり、オチが読めるからつまらないってのはおかしいんですよ、みなさん!