パラケルススの娘 1:五代ゆう

先日の貴子潤一郎と同じく、富士見ファンタジア大賞受賞者だそうです。こちらは第一回の。んな昔のことは知りませんでしたけど。まあ、それはともかく。この二人に共通しているのが、やはり文章力。
「煉獄のエスクード」と同じく、この作品もわりとありがちな設定で、たとえば主人公がまんま「GOSICK」の久城だったりするわけだけど、結局のところそんなものどうでもよく、これはしっかりとした文章とヴィクトリア朝時代の怪しげなイギリスの雰囲気を楽しみ、そしてカコイイお姉さんと壊れ気味の美少女に燃えて萌える話なんですよ、と。
っていうか、えーと、昔、高校の図書室で読んだスーパーファンタジー文庫の、なんとかっていうのと似た雰囲気。そう、荻野目悠樹の「魔術貴族」だ。そういう感じの(悪くない意味で)一昔前のラノベのような王道の設定と、とても現代的なキャラクターが混在した作品です。魔法の説明になんやかんやと独自の設定をつけないあたりも正統派のファンタジーらしい。いや、別に独自設定が嫌なわけじゃないけれど。あー、現代魔法は独自設定ですね。今日こそは買えるといいなぁ。