BLACK BLOOD BROTHERS 4 倫敦舞曲:あざの耕平

ヴィクトリア朝イギリスを舞台にした話って最近多い気がしますが。
闇と霧に包まれたロンドンで、日本海軍少尉・望月次郎と、吸血鬼『賢者イヴ』・アリスが出会い、恋に落ちる。という話なのですが、一冊で綺麗にまとまっていて、とても面白かった。
全体が過去話なのですが、さらにジローの幼少の頃のエピソードが随所に挿入されていて、彼の精神がいかにして形作られたのかが語られていたりする。ジローの心の変化に主眼が置かれているってことで。これまで受動的だったジローが、アリスと出会って初めて自ら動き出す、その決断の瞬間が見事に描かれているってわけですよ。かっくいーぜ。
これを読んだら、ミミコなんて応援できません。むしろ、これでジローがアリスを忘れてミミコに走ったら顰蹙ものですよ。いや、そこらをどう描くか、あざの耕平なら上手いことやってくれそうな気もしますけどね。チェストー。