銃とチョコレート:乙一

いかにも児童文学って感じの。子供向けでありながらダークな雰囲気。『アリーテ姫』とか『エルマー』とか思い出しちゃったよ。ああいうの、けっこう怖いんだよなぁ。
まったくの善人はどこにもいなくて、まったくの悪人もどこにもいない。ただ善良なだけの少年と、多くの小悪党が出てくる物語。
「探偵と怪盗」という言葉から連想するようなドキドキワクワクというよりは、やはりハラハラゾクゾクという方が近いと思う。いや、最初のあたりはドキドキしてたんだけど、後半に入ってからは正しく冒険物で、読んでいるあいだずっとハラハラしていた。まあ、リンツの父親も冒険をさせたがっていたようだから、それでいいんだろう。
あと、こんな値段で子どもが買えるわけないだろう、どうせ子どもへのプレゼントとして親が金を出すことを期待してるんだろう、なんという強欲、貴様に人間としての心はないのか、というようなことを言われたくなかったら、せめて1000円くらいにしてくれると嬉しかったです。装丁が無駄に豪華すぎです。っていうか、そのわりには手触り悪いし。