スロウハイツの神様 上:辻村深月

最初、「神様のハイツスロウ」と読んでいて、変なタイトルだなーと思ってた。どうでもいいな。
小さなアパートにクリエイターたちが住む話。「めぞん一刻」みたいな、と思ったらそうでもなかった。誰が入居するかはオーナーの赤羽環が決めている。協調性なさそうだからダメ、とか言って入居をお断りしたりする。それってユートピアじゃなく、無菌室っぽい感じで、いかにも作られた感じがする。ユートピアというには、ちょっと作為的すぎる。
で、その作られた偽ユートピアに、いい感じに不穏分子が紛れ込んでくる。いろいろと生々しく、しかし現実離れした展開が続く。
ヒロインが「赤羽環」でいかにもフィクションっぽい名前。最重要人物の「チヨダ・コーキ」は一人だけカタカナで異質な名前。不穏分子は「加々美莉々亜」でとても怪しげな名前。他は普通の名前。意図的に名付けてるのかなぁ、こだわってるなぁ、と思う。
いろいろ想像するに、下巻はどうも良い展開にならなさそうで(つまらなくなりそうという意味ではない)、いまいち続きを読みたくないんだが。まあ買ってくるかー。