冬の巨人:古橋秀之

あとがきで作者自らが“破滅と再生の寓話”と言ってるくらいだから、たぶん“破滅と再生の寓話”ですよ。実際、そんな感じがする。「さぁ苦難の旅のはじまりだ!」と悲壮な決意をしたところで「あぁ別に苦しまなくてもいいっすよ?」と肩透かし気味にあっさり終わってしまうあたりが何となく寓話。俺の「寓話」の定義がおかしいだけかもしれん。
ジェーニャの可愛さは異常。オーリャとお幸せに。
レーナの方はヒロインというより妖精。萌えねぇどころか人間じゃねぇ。
俺が読んだ古橋作品はこれで三冊目でしょうか。三冊とも違うジャンルでありながら、そつなくまとまっていました。いまんところ「ジャンルが違ってもそつなくまとめる作家」という印象。真の古橋はおそらくケイオスヘキサ三部作に描かれている。いつか読む機会もあるでしょう。