“文学少女”と穢名の天使:野村美月

思わず楽しくなってしまうくらい陰鬱な話。『オペラ座の怪人』をベースに繰り広げられる悲劇惨劇愛憎劇。才能を持たざる者の激しい嫉妬が描かれる。このシリーズの最大の魅力はやはりここですよ。修羅場度なら最近のラノベの中でも群を抜いている。修羅場スキーの期待の星ですよ。
今回は琴吹さんメイン。心葉くんと琴吹さんの出会いのシーンから、愛の告白まで、一挙大放出。遠子先輩が受験勉強している間に大車輪の活躍ですね琴吹さん。これで一人出遅れていた琴吹さんが、ようやく遅れを取り戻し、遠子先輩・ヤンデレ美羽さまの二人と対等になった。心葉くんを巡って火花を散らす三人の美少女。果たして勝者は誰なのか。琴吹さんに嫌がらせのメールを送り続ける美羽さまが格段に輝いてますけどね。
おそらく次からは美羽編に突入するんだろう。今回もさんざん突っつかれた心葉くんのトラウマが、さらに刺激されることになるのか。いやー楽しみ。心葉くんはこの作品の真のヒロインだよな。