エンドロールまであと、:壁井ユカコ

なあ、恐ろしいことに気付いたんだが。このペンネーム「“壁”井“床”子」っていうのが由来か。まさか「井」というのも天「井」から取られているのだろうか。なんて奥深いんだ。どうしていままで気付かなかったんだろう。
煽り文句は「双子姉弟の禁断の恋」だけど、あんまりそんな感じはしなかった。ヒロインは病弱で世間知らずな、精神的に未熟なキャラとして描かれている。恋も愛もわかっておらず、自分と弟を同一視しているだけ、という感じ。一方、弟さんはリビドー全開、姉を本気で愛しちゃってるあたりが対照的で、そのあたりの擦れ違いがメインに据えられているようないないような。
このラストはどうなんだろう。本気で姉弟の逃避行をやられると、たぶんドロドロになっちゃうので、このくらいでブチッと切っちゃった方が気持ちいいのかも。陰湿にならず、妙にカラッとしているのは、ヒロインの天然ボケのせいか。やはり「禁断の恋」にはならないんだよなぁ。
元から少女向けっぽい作風なので、少女向けレーベルでも違和感がない。だからこそ少年向けレーベルで書き続けて欲しいと思ったりもするが。