狼と香辛料 V:支倉凍砂

ホロがロレンスに離婚届を突きつける話。あまりにも交際が順調すぎて逆に不安になってしまったらしいホロが、倦怠期に突入する前に別れたほうがいいでありんす、とかなんとか。まあバカップル乙という感じ。ニヤニヤ。
三巻に登場した“坊ちゃん商人”アマーティくんを思い出してみる。彼は積極的にホロに迫り、ロレンスを疑心暗鬼にさせた。しかし、読者にしてみれば、ホロが本気で浮気しているとは思えなかっただろう。ホロのようなインテリ系ヒロインは浮気をする可能性が低い。結果、アマーティは当て馬にしかならなかった。
隙があるのはロレンスの方なのだから、浮気相手を用意するなら“美貌の女商人”が良かった。ロレンスを疑心暗鬼にするよりも、ホロの嫉妬を誘うほうが、修羅場としては見応えがあるはずだ。
今回のゲストキャラであるエーブさんは、ついに現れた“美貌の女商人”であり、ホロの恋敵になれるポテンシャルを秘めているキャラだった。しかし、五巻にわたって関係を深めてきたバカップル相手では、さすがに付け入る隙がなかった。今回の彼女は当て馬以下だったと言っても過言ではない。あまりにも登場が遅すぎたのだ。もしも三巻に登場していれば、アマーティをしのぐ刺客として二人の仲を存分に引き裂いただろうに…。
で、この終わり方はもしかして前後編? そろそろ旅の終わりが近づいているみたいだし、無理に引き延ばさずスパッと終わらせて欲しいなぁ。アニメ化が控えている現状だと終わらせにくいかもだけど…。