鉄球姫エミリー:八凪玉造

前半の下ネタの応酬が苦痛でなかなか読めなかったんだけど、後半に入ってからはスラスラと読めた。
ストーリーは「城に暗殺者がやってきたので返り討ちにしました」というだけなんだけど、各キャラの背景が丁寧に描かれているので物語性が損なわれていない。戦闘シーンも魅力的で、特にそれまで表情豊かに描かれてきたキャラがプツッと死んでしまうのがすごい。死に様を派手に演出しないのは好感。
実力はあるんだろうけど、それだけに日常シーンのテンポの悪さはどうにかならないかな、と思う。とはいえ全編にわたって戦闘を繰り広げられても単調になるだろうしなぁ。二巻が既に出ているみたいだけど、そこでもうひとつ新しい魅力が提示されることを祈る。