ゆらゆらと揺れる海の彼方 9:近藤信義

際限なくキャラが増えていくわ、作者の処理能力が不足したかのごとく次々に人が死んでいくわ、巻を重ねるごとに一冊が厚くなっていくわ、それでもいつまで経っても外伝が終わらないわ…。これほどgdgdなのに、どうして徹夜しちゃうくらい面白く読めるんだろうか。不思議だ。
前巻はレズビアンなお姉さまだったけど、今回は男装の騎士か。相変わらずキャラ造形に関しては妙にキャッチーなところを突いてくる作品だな。
で、以下ネタバレするけど。
今回なにがむかつくって、空気の読めない小娘が逆上して暴走したせいで、死ぬ必要のない人が死んでしまったことだよ。ヴァレーリア様さえ健在なら、早々にヴァルネミュンデの爺を倒し、シグルドの出る幕もなく、天下はゼルツタール公のものになっていたのに。惜しい。惜しすぎる。しかも、その殺した方はどさくさまぎれに自分の恋愛を成就させてやがるし。ヘレーネの悲しみの半分でも分け与えてやりてー。くそー。萌えるキャラなのが余計にむかつくんだよなーエミールはよー。
とにかく無理に外伝を終わらせなくてもいいから、作者の好きなように書いて欲しいな、と思う。もうさ、この際だからあと5巻くらい外伝を続けてくれたら、普通の意味でもネタ的な意味でも面白いんだけどな。